ガソリンや軽油の価格が上がると「また原油が上がったのか」と言われます。実際、店頭・配送価格は原油先物の相場と無関係ではありません。ただし原油がそのまま売られているわけではなく、先物での値決め → 現物の調達(為替)→ 製油所での精製 → 元売りの仕切価格 → 物流・税 → 販売という段階を通って、はじめて私たちの手元に届きます。その流れを順に見ていきましょう。
- ① 原油の値段は先物市場(WTI/ブレント/ドバイ)で「指標」が決まり、為替(ドル円)で円コストに換算される。
- ② 製油所で原油はガソリン・灯油・軽油・重油などに分けられ(連産品)、元売りが仕切価格を週次で改定する。
- ③ 店頭・配送価格は〔原油先物+為替〕→〔元売り仕切〕→〔物流・税・粗利〕の積み上げ。だから相場が動くと数日〜数週で価格に表れる。
FLOW原油から製品まで、一本の流れ
※ 上は全体像を簡略化した流れです。実際には商社・備蓄・業者間転売(業転)・輸入製品など、複数の経路が並行しています。
STEP 1原油先物市場とは(価格の出発点)
原油は「先物」——将来のある時点で受け渡す約束を、今の価格で売買する取引——によって世界的な指標価格が形づくられます。代表的な指標は次の3つです。
| 指標 | 産地・市場 | 役割 |
|---|---|---|
| WTI | 米国産・NYMEX | 北米市場の中心指標。ニュースで最もよく登場。 |
| ブレント | 北海産・ICE | 欧州・アフリカなど世界的に参照される国際指標。 |
| ドバイ/オマーン | 中東産 | 中東原油の指標で、アジア(日本)向けの目安になりやすい。 |
先物市場の役割は、(1) 需給や情勢を映した価格の発見、(2) 価格変動に備えるリスクヘッジ、(3) 値動きを狙う投機、の3つです。地政学リスク(中東情勢など)や在庫・景気の見通しで、先物は日々動きます。トップページのリアルタイム市況でWTI・ブレントの現在値を確認できます。
STEP 2為替(ドル円)の影響
原油はドル建てで取引されるため、日本の調達コストは「原油価格 × ドル円」で決まります。原油先物が横ばいでも、円安が進めば円での仕入れは高くなる——逆に円高なら下がります。だから価格を読むときは、原油とあわせて為替も見る必要があります。
STEP 3精製:原油から製品へ(連産品)
製油所では、原油を加熱・蒸留し、沸点の違いで各留分に分けます。おおまかには次の製品が同時に生まれます。
| 留分(軽い→重い) | 主な用途 |
|---|---|
| LPG・ナフサ | 家庭用ガス・石油化学原料 |
| ガソリン | 乗用車などの燃料 |
| 灯油 | 暖房・給湯(ストーブ・ボイラー) |
| 軽油 | トラック・建機・農機・発電のディーゼル |
| A重油 | ボイラー・農業・漁業・工業用 |
| C重油・アスファルト | 大型ボイラー・船舶/道路舗装 |
これらは連産品=ひとつの製品だけを自由に増やせません。そのため冬は灯油、農繁期は軽油のように季節で需要が偏ると、需給バランスが価格に影響します。
STEP 4元売りの仕切価格と卸(市況の反映点)
精製された製品は、元売り(ENEOS・出光興産・コスモ石油等)から特約店・販売店へ仕切価格(卸値)で供給されます。元売りは原油・為替・スポット市況を反映し、原則として毎週、仕切価格を改定します。ここが、相場の動きが価格に表れる中心点です。
- 週次の仕切改定:各社の改定額はおおむね横並びで推移。根木石油は元売り価格改定表で毎週の増減を公開しています。
- スポット/業転(業者間転売):契約玉とは別に、市況で取引される現物。指標としてRIM(石油製品スポット価格)が使われます。
- 元売り再編:国内はENEOS・出光・コスモ等に集約。石油業界の勢力図も価格・供給に影響します。
STEP 5物流・税・小売価格の構成
最終的な店頭・配送価格は、仕切価格に次の要素を積み上げて決まります。相場が動けば①が動き、価格全体が動きます。
| 構成要素 | 内容 |
|---|---|
| ① 元売り仕切り(市況連動) | 原油・為替・スポットで日々動く、最大の変動要因。 |
| ② 物流・配送費 | ローリー配送・ホームタンク補充など、距離・数量・方法によるコスト。 |
| ③ 諸経費・粗利 | 品質管理・保管・事務・利益。販売店の企業努力が出る部分。 |
| ④ 税 | 軽油は軽油引取税 32.10円/Lが別途、ガソリンは揮発油税等が含まれる。いずれも消費税が加わる。 |
※ 税率・課税の扱いは油種・用途(免税軽油など)で異なり、制度改正で変わる場合があります。政府の補助金(激変緩和など)があると、相場どおりに動かない時期もあります。
SUMMARY価格はこう動く(まとめ)
原油先物が上昇+円安 → 元売り仕切が上昇(週次) → 物流・税・粗利を加えて店頭・配送価格が上昇。下落時はこの逆です。相場の変化は、元売りの週次改定を通じて数日〜数週間で卸・店頭に反映されます。
OUR ROLE根木石油の役割(調達〜配送)
根木石油は、この流れの「元売り→お客様」を担う燃料卸・販売店です。元売りとの取引をもとに、軽油・A重油・灯油・ガソリンを安定した価格・供給でお届けします。
- 安定調達・卸:元売り直取引で、市況を踏まえた卸価格をご提案。燃料の注文・見積(中国・四国)。
- 配送:ローリー配送・ホームタンク補充で事業所・工場・現場へ。
- 官公需・入札:指標連動の単価契約にも対応。入札・応札の探し方ガイド。
仕入れ価格、相場に合わせて見直しませんか?
原油・為替の動きを踏まえた卸価格のご提案、乗り換えの無料お見積りを承ります。油種・数量・お届け先をお知らせください。
FAQよくあるご質問
WTIは米国産で北米市場の指標、ブレントは北海産で世界的に参照される国際指標です。アジア(日本)向けには中東産のドバイ・オマーンが目安になります。いずれも先物市場で日々値付けされます。
軽油・灯油・ガソリン・重油はすべて原油から精製されるため、原料の原油先物が上がり円安が進むと調達コストが増え、元売り仕切→店頭・配送価格へと波及します。
原油を精製するとガソリン・灯油・軽油・重油などが同時にできること。1製品だけを自由に増減しにくく、季節需要が価格に影響します。
各元売りは原油・為替・市況を反映し、原則毎週改定します。根木石油は週次の改定額を価格改定表で公開しています。
元売りの週次改定を通じて、おおむね数日〜数週間で反映されます。補助金など政策の影響で相場どおりに動かない時期もあります。
関連ページ
※ 本ページは石油の流通・価格形成の一般的な仕組みを、わかりやすく解説した参考情報です。指標の名称・税率・制度は変わる場合があり、正確性・最新性を保証するものではありません。最新・正確な情報は各取引所・公的機関等の公表資料をご確認ください。当ページは広告を掲載していません。