石油は国際商品であり、私たちが使う燃料の価格や安定供給は、国内の元売り再編だけでなく、世界の産油国・石油メジャーの動向に大きく左右されます。地域の燃料卸として、その全体像を分かりやすくまとめました。
JAPAN — REORGANIZATION日本の元売り再編の系譜
ひと昔前まで、日本には十数社の石油元売りがありました。それが1999年ごろから合併・経営統合を繰り返し、いまではENEOS・出光興産・コスモ石油の3グループ+独立系の太陽石油に集約されています。まずは「どの会社が、どう合流して今の形になったのか」を図で見てみましょう。
ひと目でわかる「合流ダイアグラム」
※ 主要な統合の流れを簡略化した図です(一部の系譜・時期・関連会社は省略)。矢印は「合流した方向」を示します。キグナス石油はコスモ系の販売ブランドです。
なぜ、これほど再編が進んだのか
少子高齢化・省エネ・低燃費車・EV化で、国内のガソリン等の需要は長期的に縮小。売る量が減れば、会社の数も絞られていきます。
会社が多すぎて価格競争が激化。製油所(つくる設備)も余り気味に。統合で設備を最適化し、体力を強くする必要がありました。
水素・再エネ・EVなど新分野への巨額投資が必要に。1社では重すぎる投資を、規模を大きくして支える狙いがあります。
海外の石油メジャーは巨大。原油の調達力や交渉力で対抗するため、国内でもスケール(規模)を追い求めました。
年表でたどる主な統合
現在の日本の元売り体制(実質3グループ+1)
※ シェアは国内燃料販売の概算です(年度・統計により変動)。当社(根木石油)はENEOS(旧・伊藤忠エネクス系列)を主体に、シェル・コスモ等の潤滑油も取り扱う地域の燃料販売店です。
再編で、私たちの生活はどう変わった?
ピーク時(1994年度末)の約6万か所から、現在は約2.7万か所へと半減以下。過疎地では「給油所ゼロ」の地域も生まれています。
エッソ・モービル・ゼネラル・JOMO・昭和シェルなど、街で見かけたブランドの多くがENEOS・apollostationへ。看板が一気に変わりました。
3グループ体制で過度な安売り競争は落ち着き、供給は安定。一方で「地域で買い叩ける競合が減った」という面もあります。
元売りが集約されるほど、実際に配達・提案・保守を担う地元の販売店(当社のような特約店)の存在が、安定供給のカギになっています。
街で見かける看板の「今」
昔よく見かけたガソリンスタンドの看板の多くは、再編でブランドが変わりました。「あの看板、今は何になった?」を一覧にまとめました。
| かつての看板(旧ブランド) | 今の看板 | グループ |
|---|---|---|
| 日石/三菱/新日本石油 | ENEOS | ENEOS |
| エッソ/モービル/ゼネラル | ENEOS | ENEOS |
| JOMO(ジャパンエナジー) | ENEOS | ENEOS |
| 昭和シェル(シェル) | apollostation | 出光興産 |
| 出光 | apollostation/出光 | 出光興産 |
| コスモ | コスモ | コスモ石油 |
| キグナス | キグナス | コスモ系 |
| 太陽石油 | SOLATO | 独立系 |
※ ブランド転換の時期は地域・店舗により異なります。旧ブランドの看板が残っている場合もあります。
3グループ+独立系の横顔
国内シェア約5割の最大手。旧・日石/三菱/JX/東燃ゼネラル系。全国最多のSS網を持ち、石油だけでなく水素・電力・金属まで手がける総合エネルギー企業。当社(根木石油)もENEOS特約店です。
業界2位・約3割。旧・出光+昭和シェルの統合会社。潤滑油・機能材や海外事業に強み。SSは「apollostation」へ転換中。
約1.3割。旧・大協石油/丸善石油などが源流。石油に加え風力発電など再生可能エネルギーに積極的。キグナスへ燃料を供給。
太陽石油は四国(愛媛)に製油所を持つ独立系。キグナスは独立ブランドながらコスモが供給・筆頭株主。ともに地域で存在感を発揮。
よくあるご質問(元売り再編)
需要の減少・競争激化・設備過剰に加え、脱炭素や新エネへの巨額投資が必要になったためです。規模を大きくして生き残る合併が繰り返され、十数社が3グループ+独立系に集約されました。
日石・三菱(→新日本石油)、日鉱・共同石油(JOMO)、東燃ゼネラル(エッソ・モービル系)などが統合し、JX→JXTG→ENEOSに。国内シェア約5割の最大手です。
2019年に出光興産と経営統合しました。ガソリンスタンドのブランドは「apollostation」へ順次転換されています。
ブランドは独立していますが、燃料の供給元・筆頭株主はコスモ石油です(実質的にコスモ系)。
ENEOSの特約店(旧・伊藤忠エネクス系列)です。ENEOSを主体に、シェル・コスモ等の潤滑油も取り扱う、岡山の地域密着の燃料販売店です。
WORLD — RESOURCES世界の石油資源と日本の立ち位置
日本は原油をほぼ100%輸入に頼り、その大半を中東に依存しています。世界のどこに資源があり、どこで生産されているのかを押さえておくことは、燃料価格の変動を理解する第一歩です。
輸入依存度
中東依存度
サウジアラビア
消費量(世界)
世界の石油 確認埋蔵量(概算シェア)
■ 世界の確認埋蔵量に占める概算シェア(公開統計ベース)。中東5カ国だけで世界のおよそ半分を占めます。
世界の産油量(概算・百万バレル/日)
■ 全液体(原油+NGL等)の概算日量(2023年頃)。米国はシェール革命で世界最大の産油国になりましたが、埋蔵量では中東・南米が優位という構図です。
WORLD — MAJORS & NOC世界の石油メジャーと国営石油会社
世界の石油産業は、国営石油会社(NOC)と、探鉱から販売まで手がける民間の石油メジャーに大別されます。埋蔵量の大半はNOCが保有し、メジャーは技術力と垂直統合で世界の供給網を支えています。
| 会社 | 区分 | 国・地域 | 特徴(概略) |
|---|---|---|---|
| サウジアラムコ | 国営(NOC) | サウジアラビア | 世界最大級の産油量・時価総額。上流の盟主。 |
| ExxonMobil | メジャー | 米国 | 米系スーパーメジャー。上流〜化学まで垂直統合。 |
| Chevron | メジャー | 米国 | 米系スーパーメジャー。M&Aで上流を拡大。 |
| Shell | メジャー | 英国 | LNG・潤滑油に強い欧州系。日本でも潤滑油が普及。 |
| TotalEnergies | メジャー | フランス | 再エネ・LNGにも積極的な欧州系。 |
| BP | メジャー | 英国 | 英系スーパーメジャー。エネルギー転換を志向。 |
| PetroChina / Sinopec | 国営(NOC) | 中国 | 世界最大級の消費国・中国の国営系。 |
| ADNOC / KPC / NIOC | 国営(NOC) | UAE / クウェート / イラン | 中東産油国の国営会社。日本の主要輸入元。 |
| Petrobras | 国営(NOC) | ブラジル | 深海油田で存在感を高める南米の国営系。 |
■ 順不同・概略。区分や規模は年度・指標(生産量/埋蔵量/売上/時価総額)により異なります。
LOCAL — OUR ROLE地域の燃料販売店としての役割
世界の資源・元売りの大きな流れの先で、実際にお客様へ燃料や潤滑油を届けるのが、私たち地域の販売店です。根木石油は岡山を拠点に、軽油・A重油・灯油・ガソリンの卸販売と、ENEOS・シェル・コスモの潤滑油を、価格を公開してお届けしています。元売りや相場の動きは、週次の価格改定情報でも毎週お伝えしています。
燃料・潤滑油のご相談は根木石油へ
岡山・中国四国の軽油・重油・灯油・ガソリンの卸、全国発送の潤滑油まで。価格を見て、その場で見積書も発行できます。
関連ページ
※ 本ページの数値・シェア・埋蔵量・産油量・企業区分は、各種公開統計・各社IR・報道をもとにした概算・推計であり、時点により変動します。正確な最新値は各一次情報をご確認ください。企業名・ブランド名は各社の商標です。